第14回小学館ライトノベル大賞
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最終結果発表!!

応募総数993の中から厳正な審査の結果、今回は5作品の受賞が決定!! (ゲスト審査員:若木民喜))

ガガガ賞(賞金100万円&デビュー確約)

『デッドリーヘブンリーデッド』  余命零
世界を繋ぐ時計を境に別れる「天獄」と「地国」。「地国」に落ちてきた少女とそこに住まう死者が奏でるある旅の物語。

7月17日ごろ刊行予定

審査員特別賞(賞金50万円&デビュー確約)

『令和生まれの魔導書架~全天時間消失トリック~』 小木 真久人
探偵は謎を追い、魔女は神秘を求める。すべての事件を迷宮入りさせる「迷宮落とし」の魔女は僕に言った――「さあ、ミステリーを始めようか」

6月18日ごろ刊行予定

優秀賞(賞金50万円&デビュー確約)

『サンタクロースを殺した。初恋が終わった。』 犬君 雀
「出来ますよ、クリスマスをなくすこと」共通の目的を果たすため、僕と少女の奇妙な関係がはじまる――。

6月18日ごろ刊行予定

優秀賞(賞金50万円&デビュー確約)

『フェイクタウン・ブルース』 悠木りん
“偽物”だらけのこの世界で、あなたとの絆だけが“本物”だと思っていたのに。熱がわたしの身体と心を焦がす――。

7月17日ごろ刊行予定

優秀賞(賞金50万円&デビュー確約)

『ラブコメを絶対させてくれないラブコメ』 初鹿野 創
現実に「ヒロイン」も「イベント」も無いなら、自らの手で作り出せ!青春ラブコメに憧れた、こじらせオタクの奮闘劇!!!

7月17日ごろ刊行予定

※「大賞」は該当作品なし
(敬称略)

ゲスト審査員講評 若木民喜

◆ガガガ賞
『デッドリーヘブンリーデッド』
すごく楽しかった。デッドとファイの関係性がけなげでとても良くって、2人を応援しながら読めました。文章も簡潔ながら必要なことを良いタイミングで出してきてくれて、先が気になってちょっと時間が空く度にいそいそと読んでいました。地国編は最高。クロス君の血で描いた「ごめん」にはズキーンとしました。
なんなら、天獄に行かなくてもよかったぐらいです。感情移入はすっかりできていたので天獄編の期待感はすごかったんですよ。なのにえらく駆け足で残念。天獄編をもっと長く見たかった!

◆審査員特別賞
『令和生まれの魔導書架~全天時間消失トリック~』
こちらが一番楽しかったです。ボクみたいなずぼらな読者にとってはミステリってのは「謎」というモンスターに、「探偵」というヒーローが立ち向かうバトルものです。そういう観点で見ると、このお話の探偵達の魅力、登場する事件のわくわく感は素晴らしいものがありました。どうやって解決するんだろう!と子供のように楽しみました。解決してから迷宮いりさせるとか面倒くさい手順もむしろ焔螺さんのキャラ性につながっていました。
文句ではなく希望として、他の探偵諸兄にもっと活躍して欲しかった! とにかくみんな面白そうな人達なので。かまぼこ……いや、ゆでたまごちゃん……。

◆優秀賞
『サンタクロースを殺した。初恋がおわった。』
心の痛いところ突いてきますねぇ……。ボクも大学生の時のくよくよ感をもう一度呼び覚まされてしまいました。恋愛って怖いですねぇ。とても文章がよかったと思います。こういう文章書けるようになりたい。
ただ全体的に自己言及に傾きすぎて「この犯罪者君と少女の二人が、なぜ一緒にいるのか?」という部分がしっくりこなくて……。序盤で2人をもっと好きになれていたら、最後の展開でそれはそれはものすごいインパクトがあっただろうと思います。

◆優秀賞
『フェイクタウン・ブルース』
回りがバカに見えてバカに見えて仕方なくって世の中なんてフェイクばっかりだ! なんて毒を吐き、さりとて自分にも自信が持てず……世界のどこかのリアルが探す他力本願。かつて、そして今でも、そう感じてる我が身としてはこの物語は切なくて煩悶しました。文章はカタカタしてましたけど、トーコとレニーの2人がピュアでかわいくて、この漫画描きたいなぁ~って思ったりしました。
一つ問題は、この舞台。本当に人工的に作られた都市なので、「フェイク」の意味がぼやけてしまいました。武蔵小杉が舞台でも全然成り立つ話をわざわざ独自の街を舞台にしたのですから、「フェイクシティのリアリティ」にもっと紙幅を割いても良かったかな~と思いました。

◆優秀賞
『ラブコメを絶対させてくれないラブコメ』
こんな設定大好きです。自分も得意としてるジャンルですのでやや前のめりで評価してしまうのを許してもらいたいのですが、特に序盤は完璧な始まりでした。狂気とも言える壮大無比な計画を胸にストーリーを始める主人公への期待、その前に現れる女の子たちのかわいさ、全部が魅力的です。「どんなすごいラブコメが始まるんだろう!」とわくわくしました。
それだけに、そこからのストーリーが結構オーソドックスなラブコメが展開されたので、ちょっと「あれ?」と言う気持ちです。序盤を読んで期待した内容とはやや違った気がしました。論理的すぎるというか……。特に前半は長坂くんにもっと面白い事をしてほしかったです。

編集部講評

第14回小学館ライトノベル大賞・ガガガ文庫部門に多くの作品をご応募いただきまして、ありがとうございました。
Web投稿での募集と合わせて総数993本と、今年もたくさんの応募作数をいただきましたこと、深く感謝いたします。

今年はゲスト審査員に、漫画家の若木民喜先生を迎え、編集部と若木先生による厳選な審査の結果、ガガガ賞1作、審査員特別賞1作、優秀賞3作の計5作品を決定いたしました。

受賞した各作品の講評につきましては、若木先生の講評に代えさせていただきますが、今年の応募作もひとつのジャンルに偏るということもなくバラエティに富んだ作品が集まりました。どれも個性的で、それぞれが思うエンターテイメントを追求した結果、ライトノベルの枠にとらわれない柔軟な作品となってはいるのですが、その一方で読者を置いてきぼりにするような作品も多く見られたことは否めません。読者を想定したテーマ選びとキャラ作りを、そして読みやすい文章と構成を心がけることも大切です。そのバランス感覚も作家として必要な資質になっていくのではないかと思います。

今回受賞した5本の作品はいずれも作家としての地力を感じさせるものでした。彼らの受賞作はさらなる推敲と改稿をへて、新しい作品として6月から順次刊行される予定です。ぜひ発刊を楽しみにしていただきたいと思います。


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