1 Dances with the Dragons
咒式。それは作用量子定数hを操作し、局所的に物理法則を変異させ、TNT爆薬や毒ガスを生み、プラズマや核融合など途方もない物理現象を巻き起こす方程式。不運を機転で乗り切ろうとするガユスと、美貌だが残酷な剣士であるギギナは、咒式を使う攻性咒式士。日夜 〈異貌のものども〉 や賞金首を追う彼らのもとに、奇妙な依頼が舞い込む。彼らの住むツェベルン龍皇国皇族モルディーンが自分の“祭り見物”を警護しろというのだ。そんなとき、街で咒式士連続殺人事件が発生する……。
2 Ash to Wish
最近のエリダナを騒がせているのは、〈禍つ式〉による連続殺人事件。〈禍つ式〉は古来、「悪魔」「魔神」と呼ばれ、強大無比の咒力を使う。その解決のため、ガユスとギギナは警察の仲介により、組みたくもない攻性咒式士ラルゴンキンと共闘しなければならなくなった。そんな矢先、巨大咒式会社の企業誘拐に関わる大口の依頼が舞い込む。身代金と人質の交換の現場に立ち会ってほしいという。〈禍つ式〉連続殺人、そして企業誘拐は結びつき、ひとつの“凶気の遊技”へと姿を変え、エリダナは破滅への坂を転がり始める!!
3 Silverdawn Goldendusk
エリダナは憎悪と殺意で沸騰していた。職を奪われ貧困に喘ぐ労働者たちが、折悪しくこの町に立ち寄った世界経済を動かす投資家ダリオネートに怒りを爆発させ、暴動、テロが頻発していたのだ。ある夜の路上、ジヴーニャは、瀕死の男から緑色の宝石が嵌る指輪を託される。「ウォルロットという男にこれを渡してくれ」と。直後、男は人ならぬ殺人者に惨殺され、指輪を預かってしまったジヴーニャはその殺人者〈古き巨人〉から命を狙われることに。そして、絶体絶命の瞬間に彼女を救いに現れたのは、北方の国ピエゾの勇者と謳われた攻性咒式士、ウォルロットだった。
4 Soul Bet's Gamblers
ガユスの必死の呼びかけにもかかわらず、ジヴーニャは自らの意思で、恋敵ウォルロットのもとへと去った。敗れたガユスは、失意の底でギギナとともにエリダナを彷徨う。一方ウォルロットは、〈古き巨人〉による一連の事件の裏で動く組織〈ベヘリガ〉を叩くために、ジヴーニャを安全な場所に待避させ単身街へ。しかし、その行動が生んだのは、ジヴーニャの命の危機。〈古き巨人〉リクルゴ・ゴがジヴーニャを誘拐し、ウォルロットの持つ〈悲嘆の指輪〉との交換を要求してきたのだ。勇者の誇りを捨て、ガユスとギギナに助力を乞うウォルロット。そして、ジヴーニャを助け出すための死闘が始まる!!